適当日記

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『装甲悪鬼村正』感想 その1

 以前体験版をプレイして以来放置していたこのゲームを7月末くらいから始めて、やらない期間を挟みつつも、ここ数日は一日何時間も費やし、どうにか全ルート終了。まだ回収していない回想はあるけれどひとまずこれで一段落。とても長い作品でした。正確には計ってはいないが、体感では100時間くらいプレイしていたような気もしてくる。実際は50時間以上70時間以下くらいだと思う。
 共通部分を通ってから、英雄編、復讐編、魔王編、最後の悪鬼編まで終わらせたわけだけど、ほぼ全部終わらせたのはつい昨日のことというのもあり、この作品への評価というか、最終的な結論、感想などは未だに決めかねている。全体的にすごく手がかけられているし、シナリオもよくできているから、客観的には名作と呼べるものだとは判断できる。ただ、人によっては好みが分かれる作品ではあった。私個人としては、いまのところは好きな作品である。物語や登場人物に筋が通ってて、でも通り過ぎてて、それでどうしようもなくなることが多いのが、うまく言えないが愛おしい。雪車町いわくの、真面目に生きている人間?(ちょっとうろ覚えかも)がたくさんいるのがいい。
 戦が身近な世界観だからこそなのか、登場人物に頑固なやつが多いんだよなあ。もっと自分に甘く、柔らかく生きていけたら楽だろうに、悩んで考え続けて意地に囚われて。主人公とヒロインである湊斗景明と一条、香奈枝さんなんて、特にその傾向が強かった気がする。

 『装甲悪鬼村正』とは、今は亡きアニヲタwikiの項目で出会った、はず。たしか中学生か高校生くらいの頃に。当時はテイルズオブ大辞典でキャラクターや声優のネタ項目を見たり(そういえばDies iraeは、このサイトの鳥海さんの項目で存在を知った気がする)、クソゲーまとめwikiの解説を読んだり、アニヲタwikiのいろいろな項目を見たりするのが趣味だったなあ。思えばなんとも生産性のないというか、しょうもない趣味だったと思うけど、当時はそれがすごく楽しかった。まあ、たぶん今やっても楽しいけど。
 あとはアルカディア小説家になろうで俺TUEE系の作品を読んだり、アビスのパーティ厳しめ作品を読んだり、冬木ちゃんねるをいけないと思いつつも読み耽ったり…本当に、わりとどうしようもない青春を送っていた気がする。でも友達は今よりもいたなあ。
 ともかく、『装甲悪鬼村正』の存在自体は、すくなくとも五年前くらいには知っていた。とはいえエロゲ―だから、実際にプレイできる年齢になったのは三年前くらい。高校時代からやりたいやりたいと思いつつも、結局この年まで手をつけることはなかったという作品。(ほかにもそういう作品は結構あったりする。『CROSS✝CHANNEL』だとか、『CARNIVAL』だとか、『斬魔大聖デモンベイン』だとか、いろいろ。『神咒神威神楽』も数年単位で積んでるなあ…)
 さらに言うと、我慢のきかない性質もあって、プレイする前からネットでいろいろ調べたり感想を見たりしていたせいで、展開や設定についてのネタバレは概ね知っていた。そのせいで、あるいはそのおかげで、本編のいろいろとショッキングな展開についてはそんなに衝撃を受けることはなかった。クリアした今にして思えば、前知識なしでやって、頭を抱えてみたかった気がしなくもない。(プレイする前にツイッターとかネットとか2ちゃんとかで感想やらを調べちゃうのも、悪い癖だよなあ。ツイッターに至っては中毒気味だし。これから直したくはある)

 と、そんなこんなで、何年も前から気になっていた『装甲悪鬼村正』を、今夏どうにかコンプリートではなくともクリアしたので、以下シナリオだったりキャラクターだったりの感想。


第一編 鮮紅騎
 この編をプレイしたのはもう何ヶ月も前だったと思う。たしかパソコンを新しく買う前だから、すくなくとも6月末以前。下手したら去年だったかもしれない。とりあえず、それくらいのうろ覚えな記憶で感想を綴っていく。
 例によって、この編の内容は概ね知っていたから、結構冷静でいられた。といっても実際にプレイしてみると、案の定やるせない気分にはなった。
 何がつらいって、雄飛と小夏と忠保の日常や友情の描写が丁寧なところ。奇抜なところはたいしてないけど、普通の感性をしていれば彼らに好感を持っちゃうような、言ってみれば微笑ましくもある描写。さらに、駅前に現れた謎の辻占いのお姉さんとの一幕だとか、忠保の雄飛の将来についての言及(おまえきっとすごいやつになるぜ!みたいな感じの)だとかが、新田雄飛の主人公っぽさに拍車をかけている。たぶんこの子が主人公でも面白いゲームになっただろうなあと思わせるくらいにはいいキャラしてた。
 でも結局死んでしまった。忠保でもなく小夏でもなく、雄飛が死んでしまった。あんな絶望的な状況でも、絶望ではなく友が汚された怒りを抱くことができるほど強い少年が、この少年がいればまだなんとかなる、まだ大丈夫だと思わされるような少年が死んでしまった。あるいはのちに忠保が言うように、だからこそ死んでしまったのか。
 とにもかくにも、新田雄飛という少年が死んでしまった事実は、後々の物語でも大きな意味を持つことになる。良くも悪くも(といいつつも、良くも、のパターンは未だ私のなかではみつかっていないけれども)。
 あ、新田雄飛少年の死に気を取られがちだけども、いちおうここで主人公、ライバル(?)、ヒロイン二人が顔見せしてたな(当たり前といえば当たり前)。


 力尽きたので今回はここまで。